Vtuberにはまった、25歳無職女オタクの話
みなさんは「バーチャルユーチューバー」というものをご存じでしょうか?
動画サイト、YouTubeで二次元のキャラクターを身にまとい、
ゲーム実況や歌ってみた、激辛料理に挑戦したり、みんなで料理をしたり。
やることは本当にたくさんあります。人の数だけ、コンテンツ。
それがこのバーチャルユーチューバー、Vtuberの世界。
youtuberと何が違うのかといえば、生身の体は一切画面上に現れないということ。
現れない、この表現であっています。
彼ら、彼女らはバーチャル空間の中で生きている。
真の意味で、バーチャルライバーなのです。バーチャルの中の生者なのです。
その生き様を、私は布団の中から眺めています。
ちょっと長くなりますが、ここでわたくしのことを。
本当に長いし暗いので飛ばしてくださってもかまいません。
筆者は2020年10月現在、無職独身25歳女オタク、実家暮らし。
地元の四大卒後、新卒採用され一般企業に就職するも営業職が肌に合わず1年も持たずに休職ののち退職。
そのときに長年うつ気味だった心身が爆発してうつ状態へ転がり込み、数か月自宅に半引きこもり。
幸い休職中は手当が出ていたので交友関係は切らすことはなく、友人に支えられながら2か月ほどで別会社へ契約社員として社会復帰できました。
この復職が功を成し、1年は仕事もプライベートも未だかつてないほどの充実ぶり!
やろうと思った仕事ができて、好きな人が出来て、友人とたくさん遊んで、推しジャンルに傾倒し、本当に楽しい毎日。仕事のあとも友人と飲みに行く予定を入れ、終電で帰り、次の日クタクタの、けれど少し心地よい疲労感で出社する。
これが社会人か~~~~クッソたのし~~~~~~低所得でも人生楽しい!!!!やれるじゃん!!!!!最高!!!!!!!
人生の中でも初めてともいえるほどのリア充期間でした。今でも思い出すと毎日楽しくてやりがいがあって、ながくつらい学生時代を生きてぬいてよかった~と心から思える日々でした。
その好景気が少しずつ変わっていったのが2020年1月。世の中が変わり始めた時期でもありますね。
仕事でたくさんお世話になった上司が異動になり、苦手だった別の方が上司になりました。気分屋で社内でもあまり評判がよくないこの方、嫌われてしまったら職場での居場所がなくなってしまうと私は怯えはじめ、上司のご機嫌をめちゃくちゃ伺いながら毎日をすごすことになりました。
まあ、別に社会人なら大抵の方が経験されていることです。クリアしてやるぞ~とむしろ意気込んでいたくらいでした。
様相が一変したのが2月も終盤。新型コロナウィルスが日本でも猛威を振るい始めました。
WHOがなんか言ってんな~と思っていたらこれです。街の店は次々とシャッターをおろし、飲食店は短縮営業をはじめ、公共交通機関は運行数を減らし、緩やかに社会活動が止まっていきました。
皆さんもあらゆる場所で見た光景だと思います。世界が静かになっていく様を。
私の仕事は在宅ではできないものだったので、各々時間帯をずらして出社していました。普段と異なるルーティン、効率も下がり、コミュニケーションにも齟齬が生まれ始め、日々を生きていくのが徐々に困難になっていきました。
3月、上司と時世へのストレスが私の負荷容量をオーバーし、ついに仕事で大ポカをやらかします。あ~~~~~やっちまった!混乱の最中にはまっているときには、予期できないタイミングでこういうものはやってきます。
普段であればリカバリーできることも、上司が何言ってんのかわかんない、自分がなぜこんなことをやらかしたのかもわかんない、ミスに頭がいっぱいで他の小さなミスも重なっていく。同僚からの目線が気になる、顧客が何言ってるのかわからない、少しの人混みでも怖い、会社内の照明がまぶしい、声がうるさい、文章が読めない、数字の足し算ができない……
今までできていたことがほぼ全てポン!!とできなくなりました。
次第に身体も動かなくなっていき、体調不良で休んで出社を繰り返すようになり、4月。
遂に布団から全く動くことができなくなりました。
通院していて薬もちゃんと飲んでいた、友人に相談してストレスもためていなかった、仕事が何より楽しかった、なのに、どうして!?終わらない自問自答の負のスパイラル、再びうつ状態MAXまで飛び込んでしまいました。
物理的に働けないので休職しか選択はなく、復職しようと意気込んでいたものの復職予定の1週間前に再び深刻なうつ状態になり自殺一歩手前までいきました(それを引き留めてくれたのは友人とプラモデルなんですが、この話はまた今度別の機会に……)。
これ以上会社の規約で休職はできません、となりやむなく退職。天職とまで思っていた仕事だったため、本当に苦しく、辛く、悲しい決断でした。生きがいを失った。
失意の中、ベット上で過ごす日々。朝が来てもやることないし。お金もないし。保険証ないし。
あ~~~~~~~25歳にもなって無職で布団の中で泣きべそかいて一日過ごしてるとはまるで想像もしなかったよ。仕事もできない私に生きる価値本当にないな。両親に働かせて何やってるんだろう。あー情けない。てか、生きててどうしようもなくない?面白いこともうなんもないしょ、あ~~~~~しにてえ。
そんな毎日繰り返し。
ただ絶やさなかったのはインターネットと友人との交流でした。
これが首の皮一枚つなげてくれたなあ。
さて、ここらでリアルのなが~い話は大体終わりです。
YouTubeはほぼ毎日見てました、最初の休職時から。ただこのときは生身の人間が移っているyoutuberにはまって面白動画やらコスメ動画をあさっていた日々でした(その中で革新的メタモルフォーゼも起きているんですがそれもまた別の機会に……)。
今更これだけ長い前振り書いておいてVtuberの話をなにから書いたらいいのかまったく見当がつかなくなってしまった。助けてくれ。
まあ書きましょう!!!
きっかけは数年前、ニコ厨の俺はいつも通り総合ランキングを見ていたわけなんだがそこに「月ノ美兎」のとあるMADを見つけてしまい……
そこから『10分でわかる月ノ美兎』を見たのがはじまり。それは覚えています。
清楚なJK委員長としてのデビューなはずなのに
初手で『ムカデ人間』の話するとは思わないじゃないですか?!!?!?(ちなみに私はグロ耐性がないので未視聴ですが、お噂はかねがね)
しばらくは委員長の公式切り抜き(長い配信の撮れ高部分をまとめたもの)をみてゲラゲラ笑うくらいにしかみていなかったんです。
映画一本と同じ2時間ちかくも配信なんか見てらんないだろう、というのが当時の私の見解でしたので。まああっけなく変わりますが……
そんなこんなで時が経ち今年のGW、休職中に掃除でも進めようとして作業用BGMをさがしていたところ、たどり着いたのが
【初見】"シャニマス"ってゲームをやろうと思うんだ【月ノ美兎/にじさんじ】
何故そこに行きついてしまったのかは正確な記憶がないんですが、
恐らくその時期に友人から『匿名ラジオ』の存在を教えてもらってはまり始めていた気がする、ゲストに委員長が出てきてそのまま関連動画で見始めた気がする……
長時間配信の良さがここにきてわかりました。作業のながらで見るのにちょうどいいんです!
誰かが何かに興じている様子がPCの画面から流れている。窓で異世界とつながっているみたいなのと、自分が何もしてなくても世界が回っているという当たり前のことに気づけた幸せ。いいなあ。しかも面白いしなあ。委員長とリスナーとのやりとりもテンポ感いいし。私もさくさく掃除進むなあ。そっかあ、過去にこだわらなくていいんだ。どうしようもなく今を生きてるんだ……。
この配信の快感(?)に味をしめた私、家で何かしら作業するとき(掃除やプラモ作成など)にはほぼ配信を流す生活が始まります。この時期うつ状態特有の聴覚過敏もあって歌声のある音楽が聴けない状態でして、Vtuberの配信や匿名ラジオには大変お世話になりました。現在進行形でお世話になっております。
さて、そんなこんなで夏も盛んなころ、友人Mから「これを一緒に見てくれないか?」と一本のアーカイブが送られてきます。
【超大型ゲスト出演】代表取締役、本気の道楽【 #加賀美ハヤト3D 】
Mの推し、加賀美ハヤトの3Dモデルお披露目配信のアーカイブでした。
私が主に見ることとなるVtuberは、『にじさんじ』という事務所的なところに所属しているライバー達で、この加賀美ハヤトなるライバーもその一人です。
今日様々なVtuberがいますが、にじさんじ所属ライバー達はLive2D技術を使った配信を行っており、VRチャットで使われているような全身3Dモデルではないのです。
デビュー後、人気と共にライバー達に次々と新技術が加わっていき、3Dのお披露目ともなるとリスナーたちは感動も一塩。ここまで来たんだ……!と感慨を持って迎えられます。
まだにじさんじのライバーは委員長こと月ノ美兎を知っているくらいだった私。彼の名もTwitter上で見かけるか友人から聞く程度でした。
ファンでもないのに感動すんのか~?と疑っていたのものの「一緒に見てくれ」というMの熱い勢いに押され、深夜にアーカイブ化した直後、通話しながらPCで見始めました。
!!?!?!?!?!?!?!?!?????!????!???
すごい……動いている……めちゃくちゃ動くぞこいつら…………!!?!?!?!?!!?
さながら初めてガンダムに乗ったアムロ・レイのごとく、私は驚異のあまり画面にくぎ付けになってしまいました。
私の知ってる3Dってニコニコ時代のMMDで止まっていて、それ以降だとキズナアイや輝夜月だったので、こう、なんだろう、えっ……!!?!?!?!?
そう、すべて3Dモデルを使って加賀美ハヤトその人はバーチャルライブを始めたのです!!!ライブぞ!!?!?アニメじゃないんだよ!!?!?!?本当のことなんだわ!!!!!!!!!!!!歌うしマイクパフォーマンスするし後ろのバンドはめっちゃドラム叩くしギターかき鳴らすし!!!?!?!?!?!?エッ!!!?!?!?!?!?!!!!!?!?!?何が起きてんだ………
そのときの私は、さながら初めて連邦のMSを目撃したジオン兵のようで……
つまりはあっけにとられて特攻しかけるように頭がバカになっちまってるってことなんだけどよ……ガンダムの懐にはいっちまってそのままビームサーベルでズン!!!!よ………
本当にこの配信は最後まで道楽たっぷりでそれを全力でやっている加賀美ハヤトというライバーを見られるので是非、是非!!!!!!!!!!!!!!皆さんで時代の生き証人になってください。
そもそも生で人間の動きを捉えて3Dでこんな抽出して、いや、もう、言葉では言い表せないんだよ……ほらみんなも推しの姿をなかなか言語化できないのと一緒でさあ!!!!!ね!!!?!??!?!?!?!?トラッキングもなんでこんな……え…………?
彼の歌唱力、パフォーマンス、情熱、どれをとっても普段ライブを見ない人間でも大変盛り上がる内容でした。
足が長い、顔が良、声が良い、歌がうめえ、股下5mあんな、肌透き通ってんな、ピアスえtっちだな、ここでこの曲はずるくない???等々、
いやほんとみなさん刮目してください。技術と道楽にかける情熱に詰まったこの加賀美ハヤト3D配信は全人類見てください。お願いします。
さて、ビームサーベルでズン!!!!された私はここからどんどんにじさんじのライバー達に転げ落ちていきました。
YouTubeくんには恐ろしい機能がついてまして、「おすすめ」っていうんですけど、多分多くの方々がおすすめ機能によって思わぬ沼やジャンルに落ちて行ってしまってると思います。
私もかく言うひとりでありまして、加賀美ハヤト3D配信を見てから数々の切り抜き動画やアーカイブがおすすめ表示されるようになりました。
サムネイルというのは巧妙に作られておりまして、思わずクリックをしてしまいます。いきなり長い配信をみることなく、リスナーが上げた短い切り抜き動画をみます。
また新たなライバーを知ります。本配信を見ます。チャンネル登録をします。これが繰り返されていきました。
さらにとどめの一撃がここで入りました。人生の半分以上を女オタクとして生きてくると、それなりに夢女子や腐女子になったりします。そうなると何が起こるか?
シチュエーションボイスというものにも造詣が深くなります。詳しくはこちらを参照していただければ
シチュエーションボイスとは (シチュエーションボイスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
にじさんじライバーもご多分に漏れず、ライバー達が台本を書き他のライバーに演じさせるような企画を行っています。これを見てしまったんですよね……
【字幕付き】同期を落としかけるほどのイケボで政治家を演ずるシェリン・バーガンディ【にじメンプロデュース/シェリン/にじさんじ切り抜き】
あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(陥落)
シェリン・バーガンディというライバーは普段はこういったキャラではまっっっっっっっっったくないのですが
(自称名探偵、絶賛依頼を募集中です!!!!!!!!!!!)、
持ち前のいい声と演技力を駆使し、この、メスを過剰に興奮させるようなキル力高めのボイスを投下したわけで………(現在は販売を終了していますが、boothにてボイス販売も行っておりました)。
いやいやいやチャンネル登録はしてたけどこんなやばいライバーなの?!?!?と度肝を抜かれオーバーキルされた私、過去の配信を見返し始めたり切り抜きをあさったり……
気づいたころには加賀美ハヤトを推してきた友人・Mに悶えた切り抜き動画を無言で送り付けるマシーンと化していたのです。
にじさんじの公式ストアで販売されているシェリンのボイスも買いました。
何度も聴いてハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーと悦に浸る瞬間がたまりません。
友人Mにその様子を実況していたら友人Mも彼のボイスを買ってくれました。たまりませんね!!!!!!!
ありがとうVtuber。にじさんじのライバー達。そして友人M。
ライバー達にはまっていく様子は今後書いていく予定です。
何故こうもVtuberに引き付けられるのか、魅了されるのか、わかりません。
でも、生き甲斐になっていた仕事を辞め、無職で布団の中で世界を疎んでうつ状態でグズグズしている私に、生きる場所をくれたのがネットの中に生きるライバー達でした。
正直いまでもこんな状態でも生きてていいのかなとか、ライバー達だってネットの中で自分の力を使って懸命に生きてるのに情けないなとか、そういった自問自答は尽きることはありません。
それでも、ライバー達は私に笑顔を届けてくれる。毎日、ネット上で誰かが生きて、その様子を伝えてくれる。それだけで自分で肯定しきれない「生」を肯定してもらっているような、奇妙な気持ちになるのです。
映画や本やドラマとはまた違った、「生き様」を届けるライバー達の勇姿から力をもらって、私も私の「生き様」を刻みたい。
まずは近況をまとめがてらに、最近一番心動かされているものについて書き連ねてみました。
よし!生きるぞ!!!